お知らせ

公益財団法人 大畑財団2024年度研究助成募集に採択されました

教育・研究 GEAR5.0

公益財団法人 大畑財団の【「鉄」の利用技術の拡大・向上に寄与する研究開発の助成】研究コース【若手研究コース】において本校 機械工学科5年 永石隼大さんの研究テーマ「水素インフラにおける鉄材の利用拡大に向けた耐水素脆化表面処理技術に関する研究」が採択されました。

【助成対象期間】2024年10月1日~2025年9月30日
【助成金額】80万円

採択に関して、永石さんのコメントを以下に紹介します。

「鉄の利用拡大」が大きな助成金のテーマとなっており、私が卒業研究として行っている「粉体熱処理成膜材にさらに熱処理を加えた場合の水素侵入特性」が「鉄の利用拡大」に大きく貢献できると考え申請しました。
現在、脱炭素社会に向けた取組として水素インフラの普及が注目されています。しかし、水素を扱っていく上で金属中に水素が侵入して材料を脆くしてしまう「水素脆化」が大きな問題となっています。現在の水素インフラに使用されているのは、SUS316Lなどの金属で、とても高価(S45C鋼の約10倍の値段)です。そこで安価な母材を用い、表面に高価な抵抗材料に粉体熱処理製膜法を用いた成膜を施したものに置き換えることで、水素インフラを建設する際のコストを大幅に削減できます。全国のガソリンスタンドを水素ステーションに置き換えた際、従来に比べ、約5兆円のコストカットが見込めます。
昨年度までの研究によって、粉体熱処理製膜による製膜で、水素侵入を100%防止することに成功しました。今年度は、より実用化に向けて、製膜を施した金属の熱処理を施すことで、強度特性がどの程度向上するのか、水素侵入防止特性が維持されるのかどうかを明らかにすることを目的としています。