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流体工学

 私たちは、空気を呼吸し、水を摂取して生きています。また、太古の昔から、空気や水を産業に利用してきました。空気や水を扱う学問は流体力学と呼ばれて古くから研究されてきました。たとえば、紀元前3世紀のアルキメデスの原理、15世紀のレオナルド・ダ・ビンチの飛行体、17世紀のパスカルの原理、ニュートンの粘性法則、18世紀のベルヌーイの定理、19世紀のプラントルの境界層理論、などです。流体力学は、理学分野では気象学、海洋学、宇宙天体学など、工学分野では機械工学、航空・宇宙工学、船舶・海洋工学、化学工学、原子力工学、河川工学、都市工学など、新しい学問では地球環境工学、バイオ・生体工学、医療・福祉工学、スポーツ工学など、現代の科学技術において欠かすことが出来ない重要な学問分野の一つに位置付けられます。

 

 本校では、機械工学科の4年生で、水を扱う実験を行います。図1は、ベンチュリ管と呼ばれるパイプで、流路の途中を狭く絞っています。水が流れるパイプの断面積を小さくすると、その部分の流速は速くなります。ベルヌーイの定理は、エネルギー保存の法則であり、それによると、流速が増すと圧力が減ります。ベルヌーイの定理を利用すると、断面積を絞る前後の圧力差を測ることで、そこに流れている流体の速度がどれくらいかを計算により求めることが出来ます。

図1 ベンチュリ流量計

 

 同じく4年生で、空気を扱う実験も行います。図2は、遠心送風機の性能試験をしている様子です。遠心送風機は、モーターで電気エネルギーを機械(回転)エネルギーに変換し、羽根車で機械エネルギーを流体エネルギーに変換する機械です。この実験で、エネルギーの媒体が変化するときの効率の変化を調べています。

図2 遠心送風機性能試験装置

 

 5年生では、流体数値シミュレーションの実験を行います。コンピュータの発達によって、実際の現象に近い数値シミュレーションが可能になりました。図3は、一様な流れ場の中に回転する円柱をおいた場合の計算結果です。数値シミュレーションによって、目で見ることが出来ない流れの様子を可視化することが出来ます。最近では、ハリウッド映画などに流体数値解析の技術が利用されています。

図3 数値シミュレーション計算結果

 

 講義では、4年生と5年生で流体工学を、専攻科1年生で粘性流体力学を、専攻科2年生で流れ学を勉強します。流体工学を勉強すると、次のような疑問に答えられるようになります。

 

  • なぜ、棒を振り回したときにブーンと音が出るのか?
  • なぜ、カーブは曲がるか?
  • なぜ、北半球の台風は左巻きか?
  • なぜ、煙突から出た煙は薄まってゆくのか?
  • 空気抵抗が一番少ない形はどんな形?
  • ポンプが水を吸い上げる仕組みはどうなっているのか?
  • ジェットエンジンの仕組みはどうなっているのか?
  • ゆで卵と生卵を見分けるにはどうしたらいいか?
  • などなど

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