熱工学は、各種の熱機関の特徴や構造・サイクル・作動理論・性能といった問題を、熱力学や伝熱学という基礎学問知識をもとにして考える学問です。以下に熱工学の授業で登場する主な熱機関について簡単に紹介します。
熱機関の中で最も身近なものは、ガソリン機関とデイ-ゼル機関です。4サイクルの火花点火機関であるガソリン機関の大本を発明したのは、ドイツ人のオット-でした(1876年)。また、燃料に重油や軽油を用いた圧縮着火式機関であるデイ-ゼル機関を発明したのは、同じくドイツ人のデイ-ゼルでした(1893年)。
今日の文明生活は電気がなければ成り立ちません。我が国の電力量の約90%は火力・原子力発電所で作られています。この発電所で電力を作るための熱機関が蒸気原動機と呼ばれるものです。
ガスタ-ビン機関は、軽量・小型で大出力が得られるのが特徴で、主に航空機用のエンジンとして使用されています。その他この機関と蒸気原動機とを組み合わせた複合発電用や各種の動力源などにも利用されています。