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投稿日:2018年06月05日(火)

卒業生の声 来たる水素エネルギー社会を支える新産業の拠点! ・水素エネルギー製品研究試験センター 鶴羽航大さん

来たる水素エネルギー社会を支える新産業の拠点!

鶴羽航大さん

(H23年度卒業,専攻科H25年度卒業)

皆さん、水素の力で走る「燃料電池自動車」のことを聞いたことがありますか?

これまでの自動車では、排出されるガスが地球の環境に悪い影響を与えるとされ問題となってきました。一方、燃料電池自動車とは、水素と空気中の酸素によって生み出された電気を使って走る自動車のことです。電気を生み出す際、燃料電池自動車からは有害なガスは出ず,水しか排出されないので、地球にやさしい自動車として、現在、研究開発が急速に進められており、佐世保高専の機械工学科でも水素関連の研究を進めています。

今回はそうした水素エネルギーに関係した企業で働く、佐世保高専の機械工学科出身の鶴羽(つるは)航大(こうだい)さんにお話しを伺います.

鶴羽さんは、佐世保高専において5年生から専攻科2年生までの3年間、機械工学科で水素エネルギーに関する勉強を重ね、九州大学と連携しながら最先端の研究をし、学会発表も行ってきました。「3年間の研究で得た水素の知識を活かした仕事をしたい」との想いで、H26年度に水素エネルギー製品研究試験センターHyTReCに入社。以来、現在にいたるまで水素社会実現に向けた重要な仕事をされてこられました。

前置きが長くなりましたが、それでは鶴羽さんにお話を伺ってみましょう!

企業から依頼された仕事をする鶴羽さん。

高圧水素ガスで使用予定の製品の実証試験中。

 

☆早速ですがHyTReCとはどのような仕事をするところですか?

現在、環境に優しい新エネルギーとして水素が注目されています。HyTReCでは、高圧水素ガス環境下での利用を目的に開発された、さまざまな製品の実証試験を行っています。

高圧水素ガスには金属の特性を低下させてしまう性質があります。こうした水素の性質に製品が耐えられるかなどを詳細に検査したり、耐えるためにはどうすればよいかなどを企業側に提案したりします。実証試験を行った製品の一部は実際に商品化され、燃料電池自動車や水素ガスステーション等で使用されています。

TOYOTA製の燃料電池フォークリフトを用いた実証試験。

 

☆“高圧”という言葉が出ましたが,高圧水素ガスというとどれくらいの圧力ですか?

燃料電池自動車には70 MPa(700気圧)のタンクが積まれます。これは私たちが生活している空気の圧力の700倍、深海でいうと7000 mの深さの水圧に相当します。

 

☆相当な圧力ですね!水素社会において水素を安全に使っていくために、鶴羽さんの仕事は非常に大事ですね!

☆同じような仕事をしている企業は日本において他にどこがありますか?

日本ではここだけではないでしょうか。世界においても私の働いているHyTRecとカナダだけです。

 

☆貴重なお仕事なんですね!それでは,HyTReCで、鶴羽さんはどのような仕事をされていますか?

私の業務内容は、お客様から依頼された試験を実際にオペレートすることです。企業とのやり取りが伴うので、状況に応じて柔軟で迅速な対応が求められる大変な業務ではありますが、入社当初から私は現場全体の管理を任せられています。

この仕事をしていてうれしいことは、最先端の製品開発という非常に貴重な経験をさせていただいていることです。現在は、実証試験の業務に加え、試験設備の運用および保安管理も一部任せていただいております。さらに、年間の設備メンテナンス計画や設備管理費用の試算等、技術的なことに留まらず、事務的な事柄にも取り組み始めています。

水素タンクに高圧水素ガスを充填している様子

 

☆入社から即戦力として幅広く活躍されてこられたのですね!

☆では、佐世保高専機械工学科で学んだことで、活かされている事は何がありますか?

機械工学科5年から専攻科卒業までの3年間、水素エネルギーに関する研究を行っていたので、学んだ知識をそのまま仕事として活かすことができました。また、佐世保高専の機械工学科は、「工学実験」や「工場実習」を通して、幅広い分野の専門的な知識や、実験器具および工作機械等の取り扱いを学べます。こうした環境で学べたことは、自分の大きな財産だと思います。

特に、私のような職場ではさまざまな業種の方々と関わることが多いため、知識としてはたとえ浅くても、“幅広く知っている”ということが大きな武器になることを日々実感しています。

安全管理に注意しながら高圧水素ガスを使った実証試験をスタッフと共に進める。

 

☆機械工学科で習ったことが幅広く仕事の役に立つということですね!

☆では、高専で習うこと以外に、“これを勉強するべきだ!”と思うことを、ズバリ後輩たちに教えてください。

とにかく英語を勉強しましょう(笑)。英語が話せて理解できるということは、今後どの業種で働くにしても重用されるところだと思うので、時間がある今だからこそ頑張ってほしいと思います。また、専門知識に関しては頭の隅に残る程度で、広く浅く学ぶといいと思います。手当たり次第広く学ぶことで、自分にあった分野が見つかり、就職先を選択するひとつの材料にもできるのではないかと思います。

 

☆機械工学科では国際化にも力を入れており、実際に米海軍基地内の小学校や高校の生徒,シンガポールや中国の方々,ネイティブの講師と会話をする授業も取り入れています(選択制)。英語がますます大事な時代ですからね!

機械工学科で力を入れている国際化の取り組み。

米海軍基地内の小学校Sasebo Elementary Schoolとの理科実験交流Science fair

シンガボールポリテクとの文化交流の取り組み(日本や佐世保について紹介するポスターセッション)

 

☆さて、この機械科のHPはたくさんの中学生が見てくれています。佐世保高専の機械工学科をアピールしてください

機械工学科では、さまざま分野の専門知識を学ぶことができ、かつ「工場実習」等を通して実際に機械を動かしながらものづくりを学べるすばらしい環境が整っています。特に、この“自分で実際に機械(自分の手足)を動かして製品を作る”という経験は、なかなかできることではないので、ぜひ体感していただきたいと思います。また、補習等がほぼ無いので、多くの時間を自由に使えることで、ゆとりを持って勉学や部活に励むことができるのもアピールポイントのひとつです。

 

『中学生の皆さん、何事にも前向きに一生懸命頑張ってください!』と鶴羽さん

 

☆その他、何かしら中学生に対しアドバイスがあればお願いします。

佐世保高専機械工学科のアピールでも少し触れましたが、多くの時間を自由に使える学生時代は、とても貴重な時期だと思います。実際に働き始めると、限られた時間の中で、日々の課題をこなしながら毎日を有意義なものにしていくことは、とても難しいことだと感じます。毎日が有意義であれば気持ちにゆとりができるし、その分物事に関する見方も変わり、より多くのことに気づける自分になれると思います。物事に対していろいろな見方ができるということは、勉学だけではなく日々の生活においても大事なことだと思うので、学生時代の今だからこそ、時間をうまく使うことを心がけて、何事にも前向きに一生懸命取り組んで行ってほしいと思います。

 

☆今日は貴重なお話をいただきありがとうございました!安全な水素社会のために、鶴羽さんの仕事の成功を祈っています。

HONDA社およびTOYOTA社の燃料電池自動車

 

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