基幹教育科のお知らせ

「文学探究」古典×ものづくり作品紹介#2

1年「文学探究」の授業において、人文科学と工学の領域を横断する新たな試みとして実施された「古典×ものづくり」プロジェクト。本記事は、その探究の成果を発表する2回目となります。

先立って公開した記事では、ホログラムや3Dプリンター、Minecraftから手作業による造形まで、多様な技術的アプローチで古典の世界を再構築した作品群を紹介しました。知識の暗記にとどまらず、自らの手で具現化するプロセスを通して生まれた、学生たちの論理的かつ独創的なアウトプットの数々をご覧いただけたかと思います。

今回は、情報工学の技術を駆使し、ひとつの古典文学を本格的なソフトウェアとして組み上げたプロジェクトに焦点を当てます。

題材は『竹取物語』。彼らが開発したアクションアドベンチャーゲーム「ProjectTake」は、単なるエンターテインメントではありません。作中の時代背景や十二単の「かさね色目」に至るまで文献に基づいた多角的な考察を行い、それらの解釈を、和紙を彷彿とさせるビジュアル表現やゲームシステムとして精緻に実装しています。

「デジタル社会を生きる現代人に、古典の面白さを伝える」という明確な理念のもと、マルチプラットフォームでの展開など、社会への発信を見据えた開発が行われています。古典文学に対する深い解釈と、それをソフトウェアとして社会に実装する高専ならではの工学的アプローチの全貌を、以下制作した学生チーム「Team Take」がご紹介します。

竹取物語を題材としたアクションアドベンチャーゲームの開発 – ProjectTake

作品概要

ProjectTakeは竹取物語をモチーフとしたアクションアドベンチャーゲームです。

「今は昔、竹取の翁というものありけり」という一節から始まるこの物語。竹の中から誕生した絶世の美女であるかぐや姫は、求婚者に対して「私と結婚したいのであれば、世界各地からお宝をとってきなさい」と求めます。

ゲームの中では、いくつもの竹取物語に関する要素が盛り込まれています。様々な要素がそれぞれどのように竹取物語に関する要素が盛り込まれています。

このゲームは「デジタルを生き抜く現代の人々が、このゲームを通して古典をより身近に感じていただける機会を創出し、ユーザーの皆さんに古典の面白さを伝えていく」ことを目的としています。

ものづくりの「こだわり」

1、原作要素の多さ

ゲームの中にあるあらゆる要素のなかに、竹取物語に関係する要素を詰め込んでいます。ゲームとしての面白さはもちろん、「竹取物語」という古典文学に対する1つの考察としてユーザーの方にお楽しみいただけるようにゲームのデザインをしています。

具体的な例として、作中のかぐや姫が貴族に宝を要求している場面に着目すると、かぐや姫が十二単を着ていることがわかります。この時の十二単の色の重なりについて、赤と緑を基調とした色彩を採用していることがわかります。当時の服装においては、この色の重なり(かさね色目)が非常に重要で、人々は美しい重なりを探求していたとされています。

今回採用した「萌木の匂」というかさね色目は、『竹取物語絵巻』から引用しました。さらに深いところとして、十二単の上の唐衣の解釈や貴族たちの服装の色についても様々に考察をしたうえで、ゲーム本体の映像に落とし込んでいます。

このように、1つのシーンに対しても、多角的かつ多面的な考察をすることで、古典的解釈としての面白さを追求しました。当然、他にもたくさんの場面でこういった考察を基にしたゲームへの落とし込みを行っており、ゲーム全体を通して竹取物語に対する解釈の一つとして楽しめるようなものを目指しました。

2、ゲームとしての楽しさ

前述した原作要素の豊富さだけでは、多くの人にとってゲームが面白くないコンテンツになってしまうのは自明です。「多くのひとに古典の楽しさを伝える」という目的を果たすためには、ゲームとしての完成度が求められます。

したがって、シンプルな操作感で、誰もが気軽に古典作品に触れることができるコンテンツを目指しました。また、繰り返しテストプレイを行い、ゲームとしての魅力も併せて詰め込んだ作品にしました。

ゲームというコンテンツにおいて、世界観はユーザーをいかに引き込むかに直結します。そこで、私たちは日本の伝統的な和紙を彷彿とさせる風景を作るべく、黄色みを帯びた霧をかけました。

3、マルチプラットフォーム

本ゲームは、Windows, Mac, Linuxの3つのプラットフォームに対応しています。先ほども述べましたが、このプロジェクトの目的は、より多くの人に作品に触れていただくことを通して、古典の世界の魅力を広く伝えていくことにあります。目的の達成のためには、このようなマルチプラットフォームへの対応は必須だと考えました。

メッセージ

私たちは制作を進める中で竹取物語に関するたくさんの発見や学びに出会うことができました。ProjectTakeでは、それらの魅力を「ゲーム」という身近な体験を通して感じることができます。

しかしながら、私たちの探究活動は、まだ終了していません。これから、社会へ向けた様々な活動をを行う予定です。これからも、より良いゲームの開発に向けてTeamTake全員で邁進していきます。

ProjectTakeで制作した本ゲームが、竹取物語をはじめとする古典文学に触れる1つのきっかけになることを願っています。

以下の公式HPから、より詳細な情報やゲームのデータを取得できます。ぜひご覧ください。