お知らせ

九州工業大学マイクロ化総合技術センターで半導体人材育成に関わる教員研修が行われました

トピックス

 
■概要

Compass5.0半導体分野の事業として「半導体人材育成に関わる教員研修」を行いました。本研修は、今後展開する半導体教育に関する実習・教材等を協働で開発・展開いただける協力教員の半導体製造プロセスへの理解を深め、異分野あるいは他高専の教員との交流を行って事業を発展させることを目的としています。
研修は九州工業大学マイクロ化総合技術センター(https://www.cms.kyutech.ac.jp/)が提供するセミナー「半導体デバイス製造プロセス(前工程)」を受講しました。本セミナーは専門分野外の方でも半導体製造プロセスを体系的に学ぶことできる内容になっており、企業の新人研修にも採用されています。

 
■会場・主なスケジュール

 
■8月23日(火)1日目

全国から集まった参加者と挨拶後、研修スタート。研修内容は九工大マイクロ化総合技術センターで企業向けの研修としても活用されている「製造中核人材育成セミナー デバイスプロフェッショナル 半導体デバイス製造プロセス(前工程)」に参加しました。講義とクリーンルームでの実習が組み合わされたプログラムで、学びながら実際の工程を確認することができ、実践的で理解を深めやすい内容でした。ほとんどの方がクリーンルーム初体験であり、クリーンスーツへの着替えやエアシャワーで笑顔があふれていました。クリーンルームでの説明が始まると皆さん真剣な眼差しで実習に臨んでいらっしゃいました。1日目終了後、Compass半導体分野の概要と状況を紹介しました。

全国高専から集まった参加者と名刺交換 中村先生と馬場先生のご挨拶及びオリエンテーション
講義を受ける参加者 初日午前中から早速クリーンルームへ
作成途中のウエハ 講師の説明を受ける参加者 1日目終了後、
Compass半導体分野の概要紹介

 

■8月24日(水)2日目
2日目は安藤先生のプロセス講義や中村先生の設計講義を受講。講義の間で実習も行われました。9/1の佐世保高専学生の研修に向けて、クリーンルームと講義室をオンラインで接続し、オンライン実習の試行を行いました。九工大の先生方がよりよいオンライン実習となるように、様々な工夫やご配慮をしてくださっていました。午後はクリーンルームのユーティリティ見学として、クリーンルームの地下の装置類やガスの管理装置、大型の超純水製造装置を見学しました。半導体のプロセスでは不純物の無いきれいなガスや水が大量に必要であるということを実感できました。

安藤先生のプロセス講義 中村先生の設計講義 講義室にてオンライン実習の試行
スクリーンに表示された実習の様子 クリーンルームユーティリティ見学(クリーンルームの地下)
クリーンルームユーティリティ見学(ガス管理室、純水製造装置)

 
■8月25日(木)3日目
3日目は馬場先生のプロセス講義からスタートしました。この日は最も実習の時間が長い日であり、一番疲れる日であると聞いていましたが、皆さん休まれることなくクリーンルームへ入室されていました。RCA洗浄におけるフッ酸の危険性や人体への影響について説明を聞き、前日見学した超純水製造装置で作った水を大量に使った洗浄操作を見学しました。午後はCMOS周辺装置の実習として、チップのSEM観察やウエハ破断実習を行いました。

馬場先生のプロセス講義 RCA洗浄の危険性と注意点の説明 洗浄後のウエハ
拡散炉での熱処理 熱処理後のウエハ
CMOSチップのSEM観察 FIB-SEMの説明 ウエハ破断実習

 
■8月26日(金)4日目
最終日である4日目は、フォトリソやレジスト除去を行い、ウエハ上のパターンを顕微鏡で観察しました。拡大した像が表示されると、ミクロな空間に精密で微細な加工ができており、うまく作れたことに皆さん感動していらっしゃいました。午後は作成したMOSの電気的特性測定を行い、トランジスタとして機能していることを確認しました。最後に修了証、写真やデータ入りCD、MOSチップを受け取り、写真撮影をして研修プログラムは終了となりました。研修後に参加者による感想、意見交換を行いましたが、皆さん「大変満足できた」、「実りのある研修であった」とのコメントでした。Compass半導体で連携・協力していくことを確認して解散しました。

ホットプレートでウエハをベイク フォトリソグラフィ後のパターンを顕微鏡で観察する様子
ウエハ完成後に集合写真 完成したウエハのダイシング ワイヤーボンディング
ワイヤーボンディング実習 作成したMOSの電気的特性測定
修了証授与(MOSチップ、写真やデータ入りCD、修了証受領) 参加者およびスタッフで写真撮影