お知らせ

アフリカにおけるスナノミ感染症予防技術の開発プロジェクト

プロジェクト型寄附

寄附金申込書   wordiconWORD  PDF(記入例)

申込書送付先  総務課総務企画係  kikaku(at)sasebo.ac.jp ※(at)は@に置き換えてください

私達はアフリカ等で流行している「スナノミ症」という小さな虫(ノミ)が原因で発症する感染症を「ファインバブル」という小さな泡の力で予防しよう!と考え、技術実装に向けて研究を進めています。次なる目標は『スナノミが生息しているケニアでの実証実験を行うこと』です。私達の活動に賛同し、ご支援頂けたら幸いです。

このプロジェクトで実現したいこと

【スナノミとは】
スナノミとは、乾燥した砂地に生息する小さなノミのことで、このスナノミが人や動物の足に皮膚に噛みつき潜り込んで寄生することで、「スナノミ感染症」という皮膚の感染症を発症します。放っておくと感染が進行し、ひどい場合には全身の壊死にもつながる病気です。現在20か国以上に蔓延しており、ケニアには200万人の患者がいると推定されています。

▲スナノミ症を発症した足
(画像を加工しています 引用元:NEWSWEEK無残、少女の足の裏に無数の寄生虫!)

【ファインバブルとは】
ファインバブルとは、粒径が100ミクロン未満の小さな泡のことで、普通の泡には無い「洗浄・除菌効果」、「界面活性作用」および「衝撃作用」があり、また水中の残留時間が長いという特徴があります。ファインバブルで足を洗う習慣がケニアで広まれば、スナノミ症を防ぐことができる!と思いましたが、そこに大きな壁が立ちはだかりました。

ファインバブルのイメージ図

【ケニアでは…】
現在普及しているファインバブル発生装置は、大量の水を用いることを前提として開発されており、電力を使うものが主流となっています。しかし、ケニアでは、水が大変貴重で、電力の供給も不安定となっており、現在普及しているファインバブル発生装置をそのまま持ち込むことはあまり現実的とは言えない状況です。

【そこで…】
そこで私達は、「電力を使わず、少ない水で、誰でも簡単にファインバブルを作れる装置」を開発することにしました!

ファインバブルを作るためには「エジェクタ」という部品が必要です。流速の速い液体で空気を細かく切ることで、微細な泡が作られます。市販の家庭用農薬散布機に、私達が作成したエジェクタを組み合わせ、電力を使わずにファインバブルを作成する装置のプロトタイプがこちらです!ボトルに水を入れ、上のポンプで圧力を溜め、赤いレバーを押すことで、電力を使わずに手動で、ファインバブルが入った水が噴射されます。

作成したファインバブル発生装置

【ファインバブルはスナノミ感染症予防に効果があるのか?】
電力を使わずにファインバブルを作成することには成功しましたが、果たしてこの装置で作ったファインバブルがスナノミ症予防に効果的なのか…検証する必要があります。
効果検証のために実際にスナノミを使って実験したいのですが、実はこの「スナノミ」

日本には生息していないんです。

スナノミが身近にいないなら、私達がスナノミに会いに行こう!

ということで、次なる目標は『スナノミがいるケニアに行って実証試験を行うこと』です。

ケニアでは実際にスナノミに対して照射試験を行いその効果を検証することを計画しています。また国内でも水を使ったファインバブルだけではなく、現在スナノミ症対策に使用されている薬剤等とファインバブルを組み合わせることによって、効率的に駆除できないかも検討しています。

プロジェクト実施の背景

私達は、2021年度に開催された、SDGs×リケジョのコンテスト「高専GCON2021」に出場したい!という気持ちでプロジェクトを立ち上げました。高専GCON2021にて、どんなテーマの研究をしようかミーティングしていた時、佐世保高専にはファインバブルの持つ表面吸着力によって海中のマイクロプラスチックを回収する、という研究をしている先生がいることを知りました。それが、私達とファインバブルの出会いでした。

本プロジェクトを指導する先生が「スナノミ」という乾燥した砂地に生息する虫についての資料を見つけ、小さな泡の力で小さな虫による感染症を予防できないか?と考え、研究を始めました。

コンテストをきっかけに立ち上がったプロジェクトではありますが、現在はコンテストの枠を超えて、日々スナノミ感染症対策のために研究をしています。

これまでの活動

現在、JICA(国際協力機構)九州様と、長崎大学共同の「スナノミ感染症対策プロジェクトチーム」と意見交換を重ねながら、スナノミ感染症の新たな予防策としてファインバブルを有効に使えないか、研究しています。

長崎大学の研究者の方との意見交換の様子 JICA九州の方との意見交換の様子

【コンテスト等の実績】

・高専GCON2021: 視聴者賞

・令和3年度社会実装教育フォーラム: 社会実装賞、社会実装要素技術

私達の目標は、ファインバブルの力で地球を健康にすることです!
いつでもどこでもファインバブルが使えるようになれば、災害時等の水や電力が貴重な時でも、電力を使わず、少ない水で洗浄力のある水を作り出すことができます。
私達のプロジェクトにご支援して頂けたら幸いです。
どうぞよろしくお願いします。