新年明けましておめでとうございます。
まずは皆さまとともに新年を迎えることができたことに感謝し、年頭にあたってのご挨拶を申し上げます。
昨年、5月に新型コロナウイルス感染症の位置づけが5類に引き下げられたところから活動制限が大きく緩和され、本校にも以前の日常が戻りつつあります。
従来の社会・経済活動が回復の軌道に乗る中、本校では特筆すべき大きな出来事がありました。それは、令和5年度大学・高専機能強化支援事業(高度情報専門人材の確保に向けた機能強化に係る支援)に採択されたことです。令和4年度の第2次補正予算で、総額約3000億円の大学・高専機能強化支援事業が計上され、成長分野をけん引する高度専門人材の育成が求められていること、その取組に対し、国が10年にわたって支援することが示されました。これを受け、昨年、本校は高度情報専門人材の育成に寄与するため、また、少子化が進む将来においても地域に必要とされる高等教育機関として成長・発展をしていくために学科の新設及び改組の実施に踏み切りました。
本校では,新学科「情報知能工学科」を令和7年度に新設し、情報処理、通信ネットワーク等の技術に加え情報システム全体のデザイン力や技術開発力も身につけた人材を育成します。また、現存する3学科においてもデジタル技術教育を強化し、さらに、高専機構が目指す、AIや半導体等の次世代基盤技術教育を他高専に先駆けて導入し、全学科で『情報系基盤技術教育プログラム』を開設します。また、学年全体で20名の学生定員増を行い、主たる専門教育と情報系基盤技術教育プログラムを体系的に履修した情報系人材の輩出を目指します。
これらを実現するため、すでに高度情報専門人材育成のための改組実施WGをはじめとする各WGを立ち上げ、次代を見据えた人材育成のための教育組織の体制整備、環境整備を行っているところです。
さて、今年の干支は「甲辰」ですが、「甲辰」には成功という芽が成長していき、姿を整えていくという意味合いがあるそうです。令和7年度より新学科「情報知能工学科」が設置されるわけでありますが、令和6年は、「甲辰」の意味合いのように、新設に向けての基盤を整備する極めて重要な年になると考えています。佐世保高専が目指す姿に向け、どうか引き続き皆様のお力をお借りしたいと存じます。
このような活動の中、学校の中心には学生がいます。学校は、学生たちが、教育機関を通して、学ぶ権利を全うさせるために存在しているものであり、その責任と義務を負っている機関です。学生たちが学ぶ権利を全うし得るキャンパスを実現するために、今後も教職員一同努めていきたいと思います。
新しい年は、このように、社会の大きな期待の中でスタートすることとなります。掲げた目標に向かって着実に取り組み、成果を出していくために、教職員一丸となって全力を注いでいきたいと存じます。
最後になりますが、本年が皆様にとって、そして佐世保高専にとって良い年となることを祈り、令和6年(2024年)の年頭の挨拶といたします。
令和6年1月1日
佐世保工業高等専門学校 校長 中 島 寛