お知らせ

本校教員のAI研究成果を活用した製品が「第36回中小企業優秀新技術・新製品賞」において「優良賞」を受賞しました

トピックス
大会名第36回中小企業優秀新技術・新製品賞
(主催:公益財団法人りそな中小企業振興財団、日刊工業新聞)
受賞名優良賞
受賞者電子制御工学科 川下 智幸 教授
        坂口 彰浩 教授
受賞題目砥面観察装置「GRIDE EYE NGE-01-PRD」

研究内容

「研削加工」は高精度な仕上げ面が実現できる加工法として普及しています。しかし、現在でも熟練技能者の経験や勘に頼っている部分が、まだまだ多いのが現状であり、そのような技能を視覚的かつ定量的に解明、把握するためにAI(ディープラーニング)を用いて取り組んでいます。これから、さらに高齢社会を迎える我が国においては、その熟練技能者の多くは高齢であり、優れた技能の消失を防ぐためにも、これらの研究内容は、ますます重要になってきています。
その研削加工は、砥石作業面(以下、砥面)に固着されている砥粒が被削材を微小量ずつ削り取るため、砥面の状態が加工精度や加工効率に大きな影響を与えます。特に、加工過程においては、削り屑などが砥粒間に詰まる目詰まりが発生するなど、砥面の状態が劣化していくため、高い加工精度や加工効率を保つためには適切なタイミングでドレッシングを行わなければなりません。しかしながら、そのタイミングは、前述したように熟練技能者が、加工時の音や振動、砥石表面を手で触れたときの触感などを基に経験値により判断を行い、自動化された工程の研削盤では、ある決められた研削量を越えると砥面の状態に関わらずドレッシングが行われるなど非効率で、砥石の状態を定量的に把握・評価することで適切なタイミングでドレッシングを実施する技術やドレッシングが適切に実施されたかを判断する技術は確立されていません。
このようななか、今回の受賞製品は、ドレッシングの良否およびドレッシングタイミングを定量的に判断することを目的に、砥石作業面画像を機上計測(NC工作機械に機能付加)することで加工過程における砥面の変化形態をAIにより解析・評価する計測システムになっています。
また、継続的に研究を進めており、現在では生成AI技術を導入することで、さらに進化した解析技術の開発にも取り組んでいます。

概要

本校電子制御工学科 川下智幸教授、坂口彰浩教授が、これまでに取り組んできた砥石作業面のAI解析研究成果が、共同研究企業(株式会社ナガセインテグレックス)から製品名「砥面観察装置 GRIDE EYE」として2023年に発売され、導入企業では利用が始まっています。なお、この商品は、世界的に見てもおそらく初めての計測/AI解析システム技術だと言えます。
このようななか、該当製品「砥面観察装置 GRIDE EYE」が、「第36回中小企業優秀新技術・新製品賞」(主催:公益財団法人りそな中小企業振興財団、日刊工業新聞)において「優良賞」を受賞しました。

「中小企業優秀新技術・新製品賞」の概要

公益財団法人 りそな中小企業振興財団は、中小企業の技術の振興を図り、わが国産業の発展に寄与することを目的に毎年1回優秀な新技術・新製品の表彰を日刊工業新聞社と共催で実施しています。
「一般部門」、「ソフトウエア部門」の2部門において、厳正な審査のうえ優れた新技術・新製品等に対して中小企業庁長官賞(一般部門)、中小企業基盤整備機構理事長賞(ソフトウェア部門)、優秀賞、優良賞、奨励賞の各賞を贈賞しています。

※この表彰制度は1988年より実施しており、過去36回で応募総数は11,819件となり、1,163作品を表彰しています。
受賞した各社からは、知名度が向上し、販売先の拡大や売上の増加、開発技術者のモラールアップに役立っているほか、他社・公的機関との連携・共同開発などにおいて、多面的な効果に結びついているという声が寄せられており、本賞の受賞が大きな波及効果をもたらしています。
出典(公益財団法人 りそな中小企業振興財団より抜粋)
https://www.resona-fdn.or.jp/shingijutu.html#gsc.tab=0