お知らせ

令和8年 校長年頭挨拶

トピックス

新年あけましておめでとうございます。
2026年の年頭にあたり、ご挨拶を申し上げます。

今年の干支は 丙午(ひのえうま)です。
午(馬)は力強さや行動力の象徴、丙は勢いが強く外向的で活発な性質を表すとされています。丙午の今年はその組み合わせで「情熱」「行動力」「決断力」の年とされており、積極的な挑戦や変革に向いているとのことです。
さて丙午の年の佐世保高専は。
まずはこれまでと変わらず、社会を支え社会を良くする創造的かつ実践的な技術者の育成に向けて、高等教育機関としてなすべきことをしっかりと実践し継続して参ります。その上で昨年築いた再生・復活の基礎の上に立ち、挑戦・変革へと歩みを進めていきたいと考えておりますので、皆様の変わらぬご支援をよろしくお願いいたします。以下に3つの項目に分けて年頭においての「挑戦・変革」への決意や思いを述べさせていただきます。

【2025年の振り返りと全体像】
昨年は、トランプ関税、高市政権、世界各地での対立、株高と円安、物価高騰、オーバーツーリズム、終戦から80年、大谷選手など日本人選手の世界での活躍、日本人科学者2名のノーベル賞受賞など、様々なニュースが飛び交いました。特に政治や経済面での不安定要素を強く感じた一年でした。不安定社会でありかつ技術革新などによる社会構造の変化が激しい今日においては、政府も企業も学校も国民も新たな価値の創出と既存の価値の再構築を通して、幸せな国日本の創生に向けてそれぞれの立場でなすべきことにしっかりと取り組んでいく必要がより一層高まっているものと思います。佐世保高専もその役割を果たさねばなりません。
高専は、数年後に設置されることが決まっている滋賀県立高専に加え、複数の自治体での公立高専新設の動きが出てきています。また世界に目を向けると、昨年9月には新たにエジプト高専が開校されました。これらの動向は、60年以上にわたって日本の発展・世界の発展を支えてきた高専卒業生・関係者と高専制度への評価と期待が一段と高まっている結果であると解釈しています。
佐世保高専は、高専一期校として1962年に設置されて以来、高度な知識と技術を通して社会の着実な発展や幸せな社会づくりに貢献できる人財の育成を、教職員が一丸となってかつ地域や産業界の皆様のお力を借りながら進めています。2025年もこれまでと同様に高いレベルでの高専教育を着実に進めて来られたと確信しています。一方で、生成AIの発展などを踏まえ高専も時代にあった形での教育が求められています。佐世保高専は知識と技術と経験をバランスよく学べる高専教育の特徴を活かしかつ発展させながら、時代が求める変化・革新に対応した教育を実践して参ります。日本の教育は高専がリードする佐世保高専がリードする、その意気込みのもと、創造的で革新的な新たな人財育成にチャレンジをしてきました。今年も今後もその歩みを止めることはありません。

【佐世保高専の特色化】
佐世保高専は、高専としての技術者教育の基本は堅持します。その上で、大きく3本の柱を据えて、特色のある教育を実践して参ります。高度情報人財育成、半導体人財育成を中心としたDX・GX人財育成、起業家マインド・グローバルマインドの醸成等によるコトづくり人財育成です。
佐世保高専はこれまでも半導体人財育成、水素エネルギー(グリーンエネルギー)活用人財育成、アントレプレナーシップ(起業家マインド)教育など、全国の高専の先駆けとして、社会と時代の要請に応えた新しい技術者教育を積極的に推進し、これからの社会を牽引する技術者の育成を進めて参りました。加えて、昨年4月から高度情報人財育成に向けて新たに再編した4学科に新入生を迎えました。新設した情報系学科での特別で高度な情報教育に加え、残り3学科でも各専門を基盤としつつ情報分野の高い知識・技術を持った人財を育成することを目指し走り始めました。
このように、佐世保高専は今社会に求められる人財、今後の社会変革において必ず求められるであろう人財の育成に向けて挑戦しています。社会の最先端の技術者を育成する教育機関であり続けるために特色化の3つの柱は非常に重要な位置付けであり推進力となるものと考えております。

【生成AIが身近にある時代の高専教育とは】
生成AIがものすごい勢いで生活に入り込んでいます。教育界でも同じです。このような中で高専教育はこれまでと変わらず保ち続けるべきところと劇的に変革させるべきところが出てくるものと考えています。私はAIについて昨年の年頭の挨拶で「産業革命に匹敵するのではとの声も上がるほどで、今年もさらに大波になることが想定されます」と書きました。その想定を超えるものが来ていると感じています。
生成AIに聞けば何でも答えてくれます。かと言って全ての知識を生成AIに頼ることはできません。真偽を見極める力が必要ですが、基本的な知識がないとそれもできません。我々が携わる教育や研究の分野でも利活用の範囲は無限にあるように思われます。しかしながら、どこの部分で利活用することが効果的なのか、逆に人間の手と頭をどの部分では鍛えておかないといけないのか、これを見誤ると高専教育の信頼に関わります。
高専教育は国内外から高い評価をいただいていますが、その本質はどこにあるのでしょうか。生成AIの時代にあっても、高専教育の本質を失うことなく、本質的な成果を学生に与えることができるよう、我々高専教育に関わるものは知恵を出し合い、実践し、改善し、時代にあった高専教育を確立していかねばなりません。最先端の教育機関として、地域から信頼され必要とされ、かつ技術力と人間力によって社会を支える高専として佐世保高専は歩み続けたい。AI時代が到来した2026年はそのための「挑戦・変革」の一年としたいと考えています。

最後になりますが、佐世保高専の学生・教職員の皆さん及び支えていただいているご家族の皆様、さらに日頃より佐世保高専を応援していただいている地域の皆様、企業の皆様など関係していただいている大勢の皆様のご健康を祈念して、年頭の挨拶とさせて頂きます。
今年も力を合わせ、未来を拓く一年としていきましょう。

令和8年1月1日
佐世保工業高等専門学校 校長 下田貞幸