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創立60周年記念式典及び記念講演会を挙行しました

トピックス 創立60周年記念事業

佐世保高専創立60周年記念式典及び記念講演会を、令和4年11月12日(土)に本校第一体育館で挙行しました。当日は新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から、出席者を来賓、一部の教職員及び学生に限定し、オンラインによる同時配信を行い、創立60周年を祝いました。

記念式典では、はじめに本校吹奏楽部による国歌演奏が行われ、続いて中島寛校長の式辞、来賓としてご出席いただいた独立行政法人国立高等専門学校機構谷口功理事長、文部科学省高等教育局長(文部科学省高等教育局専門教育課課長補佐 奥井雅博様代読)、長崎県知事(長崎県総務部長 大田圭様代読)、朝長則男佐世保市長、長崎大学学長(長崎大学理事 永安武様代読)の皆様からご祝辞をいただきました。また、九州大学総合理工学研究院長 中島英治様、同窓会長 大宅倫明様、後援会長 ジョーンス愛子様にもご臨席いただき、盛会裡のうちに記念式典が終了しました。

続く記念講演会では、長崎県佐世保市出身の関潤氏(元日本電産株式会社代表取締役社長)から「電動化と日本」と題したご講演をいたき、本校学生からの活発な質問に対して、丁寧にご返答いただき、また、未来のエンジニアである学生たちへ温かいエールを贈っていただきました。ある参加した学生は「地元出身の企業トップの方から大変ユーモアあふれる貴重なお話を聴くことができ、有意義な時間をいただいた」と話していました。
 

 

■ 校長式辞

本日は、ご来賓の皆様ご臨席のもと、学生諸君、教職員と共に、ここに本校の創立60周年記念式典を挙行できますことを大変嬉しく思っております。本日のこの式典と、この後に予定しております、記念講演会の様子については、ホームページ等でご案内しております通り、インターネットを通じてライブ配信をしております。学生の保護者の皆様をはじめ、長崎県北地域の産学官民連携組織である「西九州テクノコンソーシアム」会員企業の皆様や、全世界で活躍しておられる佐世保高専・同窓生の皆様と、一緒にこの時間を共有したいと思います。遠くの地からもご覧頂いていることと存じます。

さて、佐世保工業高等専門学校は、昭和37年、国立高専の第1期校として、九州で最初に設置された伝統ある高専です。創立以来60年を経て、これまで8078名の本科卒業生、539名の専攻科修了生を世に送り出しました。現在本校を卒業した諸先輩達は我が国の産業技術の発展の中核を担い、我が国ばかりでなく、広く世界で活躍しています。

さて、この10年間を振り返ってみますと、産業界などの社会的要請に加え、日々進化・発展を遂げている科学技術の世界や現代社会の大きな流れを受けて、本校では多くの変革と画期的な取組を行って参りました。例えば、平成24年度に設置した「地域共同テクノセンター」では、学生に対する技術者教育を行うと共に、民間企業等との共同研究を積極的に行っております。また、長崎県北地域の産学官連携組織である「西九州テクノコンソーシアム」を開設し、本校が中心となって、技術振興と地域の技術者育成を推進しております。

平成28年度からは、高専機構「サイバーセキュリティ人材育成事業」に着手し、九州地区の拠点校として本事業の推進に取り組んでおります。長崎県警察本部と協力して取り組んでいる本校のサイバーセキュリティの活動は、大変特色ある取り組みとして、警察庁を通じて全国に紹介されております。

同じく平成28年度には、「産業数理技術者育成プログラム」を専攻科に開設すると共に、平成29年度に「KOSEN4.0イニシアティブ事業」に採択され、本科の低学年次の数理教育の充実を図ってきたところであります。

平成31年度には、本科の低学年を対象とした「グローバルエンジニア基礎力養成プログラム」が採択され、フィリピンや中国などの大学等との間で教育連携を図るとともに、米軍基地を有する国際都市・佐世保の地域的特性を生かして、基地内のアメリカンスクールとの積極的な相互交流を通し、学生の基礎英語力の向上に努めているところです。アメリカンスクールとの交流では、本校の学生らが科学実験などの様子を動画で編集し、英語で実験の様子を解説し、アメリカンスクールの子供たちに紹介するというもので、基地内の関係者からも大変好評を頂いております。

令和元年度には、本校独自の取り組みとして、EDGEキャリアセンターを設立しています。このセンターは、学生のアントレプレナーシップ、すなわち、起業家精神を育みつつ、海外派遣等の国際交流の推進と地域社会や地元企業等との連携を柱として、学生の様々な取り組みや活動を支援していく機能を持っています。このセンターは、学科や学年に関係なく利用ができるもので、登録学生は毎年増加傾向にございます。これらの学生の中から、全国高専が集う社会実装フォーラムにおいて「社会実装大賞」を受賞したり、高専ワイヤレスIoTコンテスト2020と2021において「総務大臣賞」を2年連続で受賞しています。また、女子学生が社会的課題について、工学の技術で挑戦して解決策を提案するガールズコンテストにおいて「特別賞」を受賞したり、地元のビジネスコンテストやアイデアコンテストでは、各賞を総なめにするなど、多くの学生たちが幅広く活躍してくれています。

Society5.0に対応し、未来技術をリードする高専機構の人材育成事業には、未来技術の社会実装教育の高度化を図る「ギア事業」や、次世代基盤技術教育のカリキュラム化を図る「コンパス事業」があり、このいずれの事業に於いても、今年度に採択されております。それらは、「水素社会実現に向けた社会インフラ構築のための研究開発と人材育成」を目指す取組みと、九州地区の高専を中心とした「半導体人材育成のためのカリキュラム開発」を行っていく取組みでございます。

このほか、産業デジタルトランスフォーメーションを牽引する、高度専門人材育成のための補助事業、これは文部科学省の補助金ですが、今年度、こちらの事業にも採択されています。現在、本校で提案した、「高専生と地域企業との共生・共有によるものづくりDX人材育成」事業に取組んでいます。

今年度前期に開設しました「半導体工学概論」の授業について、多くのメディアの皆様に取り上げて頂き、大変注目されております。半導体人材育成に、先駆的に取り組んでいる学校の一つとして、学内外のご期待に応えていけるように、関係教員とともに一層の努力をして参りたいと存じます。

これまで述べましたように、佐世保高専では、この10年と言わず、この1、2年の間だけでも、大変多くのプロジェクトや教育プログラムを推進し、真摯に教育活動に取り組んでおります。今後も、たゆまぬ挑戦を続けていくと共に、学生達と共に飛躍していくことができる高専でありたいと願っております。

最後になりますが、本日、お忙しいところを遠路かけつけて下さいましたご来賓の皆様方に、心より感謝を申し上げます。ありがとうございます。また、この式典の開催に当たりまして、多くのご支援とご寄付を賜りました皆様にも、厚く御礼を申し上げます。それから、この式典の後に記念講演でご講演頂く、「関 様」は佐世保市のご出身で、本式典にもご臨席頂いております。故郷の若者のために、貴重なお話をして頂けるということで、大変有難く、嬉しく思っております。本校学生のために、また、本校のこの記念行事のために、貴重なお時間を賜りましたこと、この場をお借りして御礼を申し上げたいと存じます。誠にありがとうございます。

ご来場の皆様方とライブ配信をご覧いただいております多くの皆様方に対して、本校を一層より良い学校にしていくことをお誓いし、私の挨拶とさせていただきます。

令和4年11月11日
佐世保工業高等専門学校長
中 島 寛

 

国立高等専門学校機構 谷口理事長 祝辞 文部科学省高等教育局長 祝辞
代読 文部科学省高等教育局専門教育課課長補佐 奥井氏
長崎県知事 祝辞 
代読 長崎県総務部長 大田氏
佐世保市 朝長市長祝辞
長崎大学学長祝辞 
代読 長崎大学理事 永安氏
吹奏楽部 国歌演奏

 
■ 日時

令和4年11月12日(土)14時~16時30分
 
■ 記念式典 次第

1.開式の辞
2.国歌演奏
3.校長式辞
4.来賓祝辞  国立高等専門学校機構理事長
文部科学省高等教育局長
長崎県知事
佐世保市長
長崎大学長
5.祝電披露
6.校歌演奏
7.閉式の辞
 
■ 記念講演会 

講演演題:「電動化と日本」
講師  :関 潤氏(元日本電産株式会社代表取締役社長)

関 潤氏による講演の様子
学生による質疑応答の様子