入学・入試のご案内

物質工学科M.Sさん

在校生インタビュー No.4

出身:長崎県 卒業後の進路:進学(専攻科)

―佐世保高専への入学を決めた経緯について教えてください。

私は中学生の頃から将来の夢が決まっていたので、実験などを通して早い段階から専門的に学べる高専は魅力的だと思ったからです。大学受験がないので、自分が興味を持つ分野について5年間じっくり学べる環境であることも決め手になりました。

それから、佐世保高専の文化祭に行った時に、各学科やサイエンスクラブなどで実験道具を触らせてもらえる機会があり、そこで「やっぱり自分は高専に行きたい!」と思ったのも、高専に進学したきっかけの1つです。

―将来の夢は何ですか?

新薬の開発に携わる研究者です。小学校の職業調べの授業で薬剤師について調べていくうちに、薬が開発されていないような難病があることを知りました。当時から理科が好きだったので、研究者として貢献したいと思うようになりましたね。

高専入学後は新型コロナウイルス感染症が流行し、ワクチンにも興味を持つようになりました。植物由来のコロナワクチンを開発している企業があることに驚き、日本では有用化されなかったものの、自分が知らない分野にも関心を持つきっかけになったと思います。

―物質工学科での実験について教えてください。

2年生から4年生にかけて幅広い分野の化学実験をすることができます。機械を使って物質の成分分析をしたり、化学反応を起こして新しい物質を生成したりとさまざまです。

今までで1番印象に残っているのは、水分析の実験です。無機化学の分野の実験で、普通の水道水に含まれている物質を分析し、それぞれが基準値をクリアしているか調べました。一見単純に見えますが、手順がとても多く、複雑で難しかったです。テキストを読んで予習をしっかり行い、決められた時間内で実験できるよう頑張りました。

―現在はどのような研究をされているのですか?

糸状菌を用いて微生物変換反応を行い、それによって分取(※)できる新規化合物の性質や活性、さらに、その糸状菌の生体触媒としての反応性について調査しています。簡単に言うと、糸状菌はいわゆるカビのことでして、それにとある物質を与えることで(微生物変換)反応が起こり、その物質が少し変化するんです。その変化した物質の中には新規化合物という、どんな性質か明らかになっていない物質があるので、それを調べようとしています。

※混合物や混合液から、目的の物質を分離・精製すること。

今は先行研究に基づいて新規化合物の分取に取り組んでいるのですが、思い通りにいかないこともあり、試行錯誤の日々です。

―勉強や研究以外で力を入れて取り組んだことはありますか?

まず、学生会での活動が挙げられると思います。1年生から参加していて、体育局という、体育祭や競技大会の運営を行うところに入っていました。4年生から5年生にかけては、局長として活動しました。

さらに、3年生からはEDGE活動を通した語学研修、ビジネスコンテストに取り組んでいました。EDGE活動とは、自身のキャリアデザインの設計やアントレプレナーシップ(起業家的精神)を身につけることを目標にした、佐世保高専独自の取り組みです。

そこでビジネスコンテストに取り組んだことで、「先を見通す力」が身についたと思います。私の夢である新薬開発はすごく時間がかかる開発なので、先を見据えて次のステップを考える点は、夢の実現に役立つはずです。また、リーダーシップ力やコミュニケーション能力といった、社会でも活かすことができる武器も身につきました。

佐世保高専は課外活動や学校行事も充実していますので、各々が何かに打ち込むことができる環境であることが特徴だと思います。

―卒業後の進路について教えてください。

佐世保高専の専攻科への進学を予定しています。慣れた環境で現在の研究をもっと深め、力をつけたかったのが理由です。専攻科では、研究者として必要な主体性を特に高めていきたいと思っています。専攻科修了後に行きたい大学院も決まっていて、そこは専攻科生を対象とした推薦制度があるので、それを利用して進学したいです。

―高専を目指す中学生へ、メッセージをお願いします。

佐世保高専では専門的な知識や技術を身につけられることはもちろん、たくさんの挑戦をすることができ、5年間を通して自分で考えアクションを起こす力が身につきます。みなさんのご入学、お待ちしています!