「複合型もの創り工学」プログラム
本校の本科4年次から専攻科2年次までの4年間は、「複合型もの創り工学」プログラムに基づいた教育を行っています。
本教育プログラムは、平成16年度にJABEE(Japan Accreditation Board for Engineering Education : 日本技術者教育認定機構)の認定を受け、国際水準や社会的要求に適合する内容とレベルの教育プログラムとして高い評価を得ています。本プログラムの修了生は、技術者としての質の高さを国際的に保証されたことになり、技術士第1次試験を免除され、直ちに「修習技術者」の資格が得られます。そして、最短でその4年後には「技術士」になることができます。
学生にとって、JABEE認定の教育課程を修了することは、技術者として仕事をする上で有意な要件と言えます。
「複合型もの創り工学」プログラムの特徴
本教育プログラムは、工学(融合複合・新領域)関連分野に対応しており、学習・教育到達目標は、専攻科教育目標とも対応しています。その特徴は、次のような点にあります。
- 各分野の学生が融合・複合化された課題に取り組み、複眼的な課題探求能力と問題解決能力を養成するため、分野横断的な科目である「総合創造実験」「総合創造演習」を設置。
- 学内講師に加え、国内外の大学、企業の最先端研究者を積極的に招聘し、技術者倫理やグローバルな視点で物事を多面的に捉え考える能力、国際性を育成する「技術者総合ゼミ」を設置。
- JABEEが定める学習・教育到達目標の中でも特に、「工学の基礎と専門」と「地球的視点と技術者倫理」については、その達成度を総合的に評価するため、専攻科2年生全員を対象に「専攻科総合試験」を本校が独自に実施。
- 特別研究に副担当教員も配置し、きめこまやかな指導体制を構築。
育成しようとする自立した技術者像
本教育プログラムでは、グローバル化した社会において、高度化、複合化した工学分野の諸問題を解決して「もの創り」を行うために、各専門分野(機械工学、電気電子工学、情報工学、化学・生物工学)について深い専門性を養いつつ、先進的な他の分野の知識と技術も身につけます。複合的な教育を行うことにより、複眼的な問題解決能力を備えた創造力豊かな、世界に通用する「もの創り技術者」を育成します。
その教育プログラムの概念図を次に示します。
JABEEとは
JABEEはJapan Accreditation Board for Engineering Educationすなわち日本技術者教育認定機構の略称です。これは1999年11月19日に設立され、技術系学協会と密接に連携しながら技術者教育プログラムの審査・認定を行う非政府団体です。日本技術者教育認定制度とは、大学など高等教育機関で実施されている技術者教育プログラムが、社会の要求水準を満たしているかどうかを外部機関が公平に評価し、要求水準を満たしている教育プログラムを認定する専門認定 (Professional Accreditation) 制度です。
ワシントンアコードとは
JABEEは、我が国を代表する技術者教育認定団体として、技術者教育の国際的同等性を確保するため、ワシントンアコードに加盟しています。
ワシントンアコードとは、技術者教育の国別の認定システムとは別に、技術者教育の質的同等性を国境を越えて相互に承認し合う協定で、1989年に締結されました。最初はアメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、アイルランドの六カ国を代表する技術者教育認定団体が協定を結び、1995年に香港、1999年に南アフリカが加盟し、日本のJABEEは2005年6月に加盟が認められました。